【怖い話 実話】そのトンネルは少し奇妙 - 怖い話 実話【短編・長編・都市伝説・超怖い話・怪談】まとめブログ

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【怖い話 実話】そのトンネルは少し奇妙

町の近くに

トンネルがあった。

そのトンネルは少し奇妙で、

道の両側に川が流れていた。

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何故かは知らないが、雨が降ったりすると決まって片側が増水し、
溢れ出した水が道を覆い尽くしてもう一方へ流れ込むという現象が起こっていた。

そうなると歩いて通る事は無理になるのだが、
自転車では問題なく通る事ができる。

水が流れている上を走るのは面白く、
雨が降った後は近所の仲間とよくそこで遊んだ。

ある事件がおきるまで。

台風が去ったある日、いつものようにトンネルに集まった。

大量の水が溢れ出し、地面が見えないくらいだった。

激しい水音が響いていた。

勢いつけてどこまでいけるか、
誰がが派手に飛沫をあげれるかなんてのを競いながら、
ひたすら往復していた。

Aの番になった。

猛スピードで飛沫をあげて走るA。

その姿が、俺達5人の見ている前で、いきなり水面下へ消えた。

まるでいきなり床を外されたかのように、
走っている姿勢そのままで水中に消えた。

「あ」

何が起こったのか解らなかった。

転んだ?潜った?落ちた?

軽いパニックを起こしていた。

俺達はかなりの間固まっていたと思う。

水面は平らで、滝のような音だけが響いていた。

「A!!」

誰かが叫んだのと同時に全員が走り出した。

靴を、ズボンを濡らしながらAが消えた位置まで駆け寄った。

信じられない。

当たり前だが地面はしっかり存在する。

水が多いといっても5cmの深さもない。

横になったところで隠れられる訳ないのだ。

だがAはいない。自転車すらない。

「B、C!誰か大人呼んで来い!!」

2人が町へ走った。

残った俺達は必死でAを探した。

トンネルの外も探した。

両脇の川も棒で浚った。

見つからない。

大声で呼んでも返事がない。

Aが消えてしまった。

やがてB、Cが大人を連れて帰ってきた。

遅れて連絡を受けた消防隊も到着した。

しかし、誰もこの状況を理解できなかった。

消える事が考えられないのだ。

増水したといっても元が小さい川だ。

溺れる事も流される事も考えられない。

「道の真ん中で沈んだかのように消えた」

という説明は信用されずに、落ち着いて思い出せなんて事を言われ続けた。

そういわれても、他に話す事など無く、
最終的に5人とも逆ギレ状態になっていた。

日が暮れて、随分経ってから俺達は帰されたが、
取り調べはしばらく続いた。

今思えば、俺達が何らかの事件を起こしたと思っていたのかもしれない。

その後も捜索は広範囲に渡り続けられた。

それは川の下流のみならず、遠くの山の上まで及んだようだ。

しかしAはおろか、Aの自転車さえも見つからなかった。

俺達が、そのトンネルで遊ぶ事は二度と無かった。

あれから10年以上経つが、Aは見つかっていない。

Aの痕跡すら何も見つからない。

事件直後、色々悪いうわさが飛び交ったが、
その完全な失踪具合は、俺達が何か関係しているという疑いを消すのに充分だった。

俺達が悪いわけでも無いが、なんとなく町に居辛くなってしまった。

大学卒業後も帰る予定は無い。

俺は今でも、底の見えない水溜り等には警戒している。

しかし・・・

俺達が見たAの消える瞬間は何だったのか。

ありえない、が、5人同時に見ている。集団催眠?現実的ではない。

解らないまま、心の片隅にわだかまりが残っている。

それが年々大きくなってきている。

子供の頃は何も出来なかったが、大人になった今、出来る事は色々ある。

霊能者にでも霊視してもらおうかと考えている。

台風の日に、5人であのトンネルへ行ってみるのも良いかも知れない。

何があったのか。

Aは何所に消えたのか。

Aは生きているのか。

全てをはっきりさせたい。

そうしなければ、これから先、心の底から笑える事など無い様な気がする。


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