【怖い話 実話】彼はカメラが趣味 - 怖い話 実話【短編・長編・都市伝説・超怖い話・怪談】まとめブログ

【怖い話 実話】彼はカメラが趣味

知り合いに聞いた話です。

ある少年が高校に入学しました。

彼はカメラが趣味だったので、

入学してすぐに写真部に入部しました。

IMG_2511s.jpg



その写真部には何人かの先輩がおり、活動も活発でしたが、
なぜか3年生の数は極端に少なく、1,2年生を中心としたクラブでした。

そこは県下でも有数の進学校だったため、
きっと大学受験のために早く引退するのだろうと、
彼は何となく思っていました。

先輩たちは皆優しく、また親切に指導してくれたので、
彼はめきめきと上達していきました。

特に懇意にしてくれたのはA先輩で、よく一緒に撮影に行っては、
少年を指導し、色々と面倒を見てくれたので、
兄弟のいない少年はA先輩を実の兄のように慕っていました。

ある時、A先輩は地元のフォトコンテストに応募し、その作品が優秀賞に選ばれました。

少年はそれを自分のことのように喜び、また自慢に思いました。

A先輩もとても喜んでいました。

でもそれからしばらくすると、A先輩はなんとなくクラブを休みがちになり、
ある時からぱったりと来なくなってしまいました。

おかしいなと思っていた頃、A先輩がしばらくぶりに部室に顔を出しました。

手には退部届をもっていました。

少年はたまらない気持ちになり、A先輩にまた一緒に撮影に行こうと言いました。

でもA先輩は悲しそうな目で少年を見て、
「そのうちおまえにもわかるよ。」と言い残して、
部室を後にしました。

少年はきっとA先輩は写真で結果を残せたので、
早めに受験勉強を始めたのだろうと思いました。

A先輩がいなくなったあとも、少年は毎日写真を撮り続け、
彼はさらに上達していきました。

1年が過ぎた頃には、彼も色々なコンテストで入賞するようになっていました。

ある時、少年は暗室で作業をしていました。

それはコンテスト用に応募する、モデルを使ったポートレート写真でした。

そのモデルの背景に窓があり、そこに3歳ぐらいの女の子が写っていました。

女の子は黄色い傘をさしていました。

「こんな目立つ傘が写ってると写真が台無しだあ」

と思い、彼はその写真をゴミ箱に捨てました。

次に少年は、交差点の写真を撮りました。

人や車でごった返す都会の交差点。

暗室でその写真を現像していると、彼はビルの間に開く、黄色い傘が目にとまりました。

雨が降っているわけでもないのに一つだけ開いた傘は、人混みに中でとても目立ちました。

次に彼は、風景写真を撮りました。

手前に湖があり、その奥に白雪を背負った山々が見えています。

暗室の定着液に浮かぶその写真の中で、彼は湖にボートが浮かんでいるのを見つけました。

小さなボートなので、撮る時に気がつかなかったようです。

ボートの上には、あの黄色い傘をさした少女が、こちらを向いて座っていました。

少年は何かぞっとするものを感じ、急いで他の写真を現像しました。

街角の猫、オートバイ、公園の桜、夏の砂浜。

彼が撮ったすべての写真の片隅に、必ず、その少女は写っていました。

黄色い傘をさして。

少年はもしやと思い、A先輩が撮った最後のアルバムを開きました。

思った通り、そこには、あの少女が黄色い傘をさして写っていました。

今とまったく変わらない姿で。こちらを向いて。

そして彼は、先輩たちが上達したとたんにクラブを辞めていく、本当の理由を悟ったのでした。


関連記事

タグキーワード
コメント
非公開コメント

トラックバック
Copyright © 怖い話 実話【短編・長編・都市伝説・超怖い話・怪談】まとめブログ All Rights Reserved.
当サイトのテキストや画像等すべての転載転用・商用販売を固く禁じます