数年前の正月あけて間もない頃のことです。 - 怖い話 実話【短編・長編・都市伝説・超怖い話・怪談】まとめブログ

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数年前の正月あけて間もない頃のことです。

数年前の正月あけて間もない頃のことです。

その日は昼過ぎまでに上げなければならない

資料があって前日から

徹夜で仕事をしていました。

IMG_1318s.jpg


やっと資料が完成したのが12時30分頃、

そのあといったん食事にでて会社に

戻ろうとしたのが13時30分前でした。

徹夜あけで食後、しょぼしょぼする

目をこすりながら

フラフラと会社の前の通りを

歩いていたのですが、

いつもは多少の人通りがあるのに

その日は何故か誰も歩いておらず、

妙に静かだったのを覚えています。

会社のオフィスはさほど広くもない

7階建て雑居ビルの6階にあって、

入り口正面にエレベーター、右手が階段です。

私はいつものように、ビルの入り口に

ある自動販売機で缶コーヒーを

買おうとしました。

ここのコーヒーはあまり見ない

マイナーなメーカーのためか、

100円なのです。

しかし、何度お金を入れても

戻ってきてしまいます。

その頃偽造硬貨が流行っていたので

チェックを厳しくしたのかなと思いましたが、

こちらも意地になっています。

7-8回目にやっとお金が入りました。

コーヒーを取りだし、上にあがろうとして

何気なく6階のオフィスを見上げると、

窓を開けて皆が下を覗き込んで

いるのに気付きました。

道路を隔てた向かい側が

スポーツクラブで、その4階が

プールになっています。

一階あたりの高さが違うのでちょうど

斜め上か覗ける位置にあります。

スタイルのいい娘がいると、時々若い

社員が覗いていることがあるので、

この時も単に相変わらず好きだな~、

と思っていました。

ところが、エレベーターで6階に昇り、

踊り場の右手にあるオフィスのドアを開けると、

窓際に社員の殆んどが集まって下を

見ていました。

「あれ?わざわざ下まで行って

みてきたの?」

「え?いや、飯食って帰ってきた所だよ」

と、私は答えました。

「えー?度胸あるなぁ」

「なにが?」

私は訳がわからず聞くと、

同僚は窓の下を指差しました。

つられて私が覗くと・・・

今しがた、私がコーヒーを買った

自動販売機の前に女性が横たわっていました。

上半身には青いビニールシートがかけてあります。

シートの下から出ている足で女性と分かりました。

すでに周りを警察官が行ったり来たりしていました。

「この上の階から?」

思わず私は同僚に聞きました。

「何言ってんだよ、この階。入り口に

靴があっただろう?」

私がオフィスのドアを開けると、

目の前の踊り場には確かに

赤い靴がきちんと揃えてありました。

「え?なんで?」

今、帰ってきた時は確かに

誰もいなかったし、

勿論、自動販売機の前にも

何もありませんでした。

私がエレベーターの中で

居眠りでもしていて、

その間に飛降りがあったのだろうか?

とも考えました。

しかし、時計は1時半過ぎを指していました。

昼休みが終わって、20分程の間に、

飛降り自殺があったそうです。

1階の店の人が気付いてすぐ

通報したそうですが、

今しがた見た様子ではもう

事切れているようでした。

私が聞いてみると、下を覗いていた社員は、

誰も私が下を歩いていたことに

気付かなかったそうです。

同僚は、単に私が横を通ってきただけだと

思っていたようでした。

でも、確かにあの時は誰もおらず、

何もなかったはずなのに。

「だってほら」

私は今しがた買ってきた熱い缶

コーヒーを同僚にさしだしました。


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