今から35年前の、梅雨時の晩の事 - 怖い話 実話【短編・長編・都市伝説・超怖い話・怪談】まとめブログ

今から35年前の、梅雨時の晩の事

M県Y市T病院。

今から35年前の、梅雨時の晩の事である。

夜勤に当たっていた新人看護婦M子は、

1年先輩のHとナースステーションにいた。

IMG_2037s.jpg


その頃M子は独り暮らしをしようと考えており、

Hに部屋の家賃の事や家具の

事を相談していたという。

時間は午前1時半。前日22時の巡視が終わり、

次の巡視まであと30分というところだった。

突然、ナースコールが響いた。

どこからのコールなのか、

パネルを見て確認する。

するとどうした事か、ナースコールは

半年前に閉鎖し、

廃病棟となった西棟から

掛かっていたのである。

西棟は電気はまだ

通っているが窓は塞がれて、

外来に使われていた玄関にも

鍵が掛けられている。

ナースステーションから鍵を

持ち出さない限り、人が入る事は出来ない。

2人は戦慄した。

しかし病棟の管理の事もあり、

見回りに行かなくてはならない。

Hがあまりに怖がるので、多少楽天的で

活発な性格をしたM子が見回りに行く事になった。

ナースコールは西棟の1階、112号室から。

M子は懐中電灯を片手に、半年前までの

この病棟の様子を思い出しながら

112号室へ向かった。

少し立て付けの悪いドアを開ける。

すると不思議な事に、

病室から薄ぼんやりした灯が廊下に溢れた。

病室の裸電球が点いていたのだ。

風もないのに、電気の紐が揺れている。

全く無気味である。

M子はもうシーツやマットを取り除かれ、

冷たい鉄パイプと板だけになったベッドの上に、

妙な物が置かれている事に気付いた。

古ぶるしい木の箱と、聖書。

木の箱には臍の緒が入っていた。


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