自衛隊に入隊している友人 - 怖い話 実話【短編・長編・都市伝説・超怖い話・怪談】まとめブログ

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自衛隊に入隊している友人

自衛隊に入隊している友人が

語ってくれた悲話である。

以前、彼はN県の駐屯地に駐屯しており、

山岳レンジャー(特殊部隊)に所属していた。

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この話はその上官(A氏)の身に

起こった事である。

十数年前の夕方、付近の山中に

おいて航空機事故が発生した。

山岳部における事故であったため、

ただちにA氏の部隊に救助命令が発令された。

それは道すらない山中で、加えて事故現場の

正確な座標も分からぬままの出動であった。

彼らが現場に到着したのは事故から

半日以上も経った翌朝の事だった。

彼等の必死の救出作業も空しく、

事故の生存者はほとんどいなかった…。

*     *     *

事故処理が一通り終了し、彼が駐屯地に

戻れたのは、事故発生から実に

1週間以上も経っての事であった。

『辛いことは、早く忘れなければ…。』

後味の悪い任務の終えた彼は駐屯地に

戻るなり、部下たちを引き連れ、

行きつけのスナックヘと直行した。

「ヤッホー!ママ、久し振り。」

「あら、Aさん。お久し振り!。さあさあ、

皆さんこちらへどうぞ。」

彼等は、めいめい奥のボックス席に

腰を降ろし飲み始めた。

久し振りのアルコールと、任務終了の

解放感から彼等が我を忘れ盛上がるまで、

そう時間はかからなかった。

しばらくして、A氏は自分の左隣の席に

誰も座らない事に気が付いた。

スナックの女の子達は入れ替わり

立ち替わり席を移動し部下達の接客をしている。

しかし、その中のひとりとして彼の左隣へと来ない。

『俺もオジサンだし、女の子に

嫌われちゃったかな…。』

少々寂しい思いで彼は、右隣で彼の

世話をやいてくれているスナックの

ママの方を向いた。

「Aさん、とてもかわいらしいわね。」

彼と目のあったママが、思いっきりの

作り笑顔を浮かべそう言った。

『かわいい?。俺が?。』

かわいいと言われ、妙な気分になった

彼は慌てて左隣へと視線を戻した。

誰も座っていない左隣のテーブルの上には

いつから置かれていたのか、

場違いな『オレンジジュース』の入った

グラスが一つ置かれていた…。

その日から、彼の周りに奇妙な事が

起こり始めた。

一人で食堂や喫茶店に入ると、

決まって冷水が2つ運ばれてくる。

また、どんなに混雑している

列車やバスの中でも、

彼の左隣の席は決まって空席の

ままで誰も座ろうとしない。

極めつけは、一人街中を歩いていると

見知らぬ人に声を掛けられる

様になったことであった。

しかも決まって、

『まあ…。かわいいですね。』

と、皆が口を揃えて言うのだ。

これには、部下から鬼だと言われている彼も、

ひと月しないうちに参ってしまった。

ある日、彼は部下に自分の周りに

起きている奇妙な事実を話し、

そしてこの件について何か知っている

事はないかと問いただした。

すると部下は言いにくそうに、こう言った。

「これは、あくまでも噂話なんですが…。

最近、Aさんのそばを小さな女の子が

ついてまわっているのを同僚たちが

見たっていうんです。」

「小さな女の子?。」

「ええ、駐屯地の中でも外でも、

ずっとAさんの側を離れずに、

ついてるらしいんです。」

A氏の背中に電流が走った。

「最近って…。いったい、

それはいつからなんだ?。」

「じ、自分が見た訳ではないので…。 

ただ皆、例の事故処理から

帰ってきた頃からと…。」

「………………………………。」

A氏は思い出した。

あの時、散乱する残骸の中で彼が

抱き上げた小さい遺体の事を…。

その後、A氏は近くのお寺へと

行き少女の魂を手厚く供養してもらった。

以後、ふたたび彼の周りに

少女は現れていない。


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