円山町のホテル街、向かいにはキャバクラ、 - 怖い話 実話【短編・長編・都市伝説・超怖い話・怪談】まとめブログ

円山町のホテル街、向かいにはキャバクラ、

その事務所は、渋谷の道玄坂にある鰻の寝床の

ように細長い9階建てのビルの6階あった。

坂の途中にある事務所6階の窓からは、

円山町のホテル街、向かいにはキャバクラ、

IMG_1613s.jpg


背後は有名なヌード劇場とそれは素晴らしい

眺めであったと、今でも覚えている。

以前からこのビルにおいては様々な

怪異現象が起きており、

霊感のある部下『N』(『伸びる手』

等に出演)に言わせれば

『霊道』なる幽霊の通り道がこの

事務所の部屋を横断しており、

怪異現象の原因はすべてこれがが

関係しているらしい。

吸っていた煙草が突然灰皿から消える。

事務所内に誰もいないのに机や椅子が

バンバン叩かれる音がする。

揚げ句のはては6階の窓ガラスが

突然うなり声をあげ、

外から誰かがこじ開ける様にバタバタ震える…。

また、こういった話を事務所でしていると、

部下の言う「霊道」の中に座って仕事を

している同僚が影響を受け、

突然頭痛を起こし倒れるというような

ハプニングが起きたりした。

様々な怪異の中で一番頻繁に

あったのが仕事中に突然、

耳もとで女性のささやき声がする、

と言ったものであった。

それは、注意していないと何と

言っているのか分からないような声なのだが、

テレビもラジオもついていない窓を

締め切った室内で聞こえるのだ。

外から聞こえる街頭のアナウンスの

声などとははっきり違うのは、

耳元でささやくその息づかいまでもが

肩越しに聞こえる事であった。

さすがに、これには大半の社員がまいった。

普段、霊魂などとは無縁の者も

この声を耳を理由に事務所への

待機を拒否しはじめた。

しかし、悲しいかなここは

警備会社という特殊な職業のため、

各事務所は『24時間体制』が

義務付けられており、

昼間はもちろん、夜間の宿直者も

毎晩置かなければならなかった。

セクションの違う私は、夜間宿直の

ローテーションには含まれて

おらず安心していたのだが、

8月中旬のある夜にどうしても当番の

都合が着かず、運命の当番が私に

まわってきてしまった…。

当日、初めのうちは昼間勤務の

同僚などが残業で何人も残っており、

何事もなく通常の夜間勤務をおこなっていた。

しかし、10時を過ぎる頃から

一人、二人と同僚が帰宅し、

ふと気付くと事務所には私ひとりが残されていた。

加えて、省エネの為なのか室内は頭上の

蛍光灯2灯のみを残し消されている。

本来怖がりの私は、暗がりの中に

ある蛍光灯のスイッチを入れに

行く勇気もなく、

「あーあ。とうとう一人か…。

取り敢えず軽く仮眠を取っておこうか。」

などと、自分に都合の良い理屈を

言うと打ちかけのワープロの電源切り、

そのまま机に突っ伏し仮眠にはいった…。

リーン・リーン・リーン・リーン

現場からの定時連絡の電話に起こされた。

時計を見ると、針は2時を差している。

寝ぼけたままトイレへ駆け込み用事を

済ませ、再び席に座り直したその時…。

バン・バン・ババン・バン・バン・

ババン・バン・バン・ババン!

突然、窓ガラスを素手で叩く様な

音が起こった。

「あーっ。まただよ…。」

私は慌てて頭から備付けの毛布を

かぶり、机の上で両耳を塞ぎ早く

眠てしまおうとした…。

窓を叩く音が始まって、4~5分程

たった頃だろうか…、

バンッ!ババンッ!バン!!

今度は私周りの机が激しく、まるで

ドラムを叩く様に早く激しく鳴り始めた。

「こりゃ、やばい…!。」

私は危険を感じ、毛布を払い周りを見回した。

しかし、もちろん事務所の中には私以外の

誰もおらず、

今の今まで鳴っていた音もピタリと止んでいた。

恐怖が頭の中も全身をも支配していた。

私には、机を離れ室内を調べる勇気もなく再び

机に突っ伏し、頭から毛布をかぶった。

コツ・コツ・コツ……

間髪いれず、今度は何者かの足音が私の

机の周りをぐるぐると周り始めた。

さすがに耐えられなくなった私は、

大宮支社に助けを求めた。

この日、大宮支社は霊的体験のある(自称、

霊的修羅場経験者)というO氏が泊まり番だった。

O氏が電話に出た。彼は、すぐ様電話から

異変を感じ取ったらしく、ゆっくりと私に聞いた。

「どうしたんだ!?」

私は今までのいきさつと現状を、電話の向こうの

O氏に説明した。

「分かった…………。いいか、よく聞けよ…。」

パシィーーーーーーーン!!

突如背後で何かがはじける音がした。

振り向くと、額縁のガラスが割れていた。

しかも、額は壁に掛かったままガラスだけが

まるで何かに叩き割られたようにこなごなに

飛び散っている。

「Oさん! ガラスが…ガラスが…。」

私は、錯乱していた。

「落ち着け!事務所に塩はないか?塩…。

それを水に溶かして部屋の中に撒け!

入口の所には塩を盛れ!いいか、ただの

食塩じゃねぇぞ。あら塩だ、あら塩!」

「えっ…、そんな塩、事務所にないですよ…。」

「だったら急いで買ってこい!!」

「買いに行けったって、それじゃあこっちの

事務所、誰もいなくなっちゃいますよ!?」

「何もお前が出ていく必要はねえじゃねぇかよ。」

「えっ?」

「さっきから、電話口で笑っている女に買いに

行かせりゃいいだろ!

第一、こんな夜中に事務所へ女を引き摺り

込んで、何やってたんだ?お前はっ!。」

「…………………………!!」

私は絶句した…。

彼には女性が私とO氏の会話に笑いながら

相づちをうっているのが聞こえていた。

私はパニックになりながらも、電話の

大宮支社への転送切り替えを行い、

塩を買いに近くのコンビニまで飛び出していった。

そして、戻るなり尋常とは思えない程の食塩水を

作り、床が水浸しになる程撒いたのだった。

驚く事にその直後からピタリと怪異現象は治まり、

何事も無く朝を迎えた。

しかし私は、とうとう朝まで寝ることも出来ず、

夏の暑い日だというのにガタガタ震えながら、

翌朝代りの者に引き継いだのだった。

後日、当夜の夜間電話の録音テープは、

処分された。

理由は、職場に無用の混乱を招く恐れが

あるためとの事であり、

表向きは、「機械の故障による録音不備の

ため消去」となった・・・・・。

そして、その後も幾度となく宿直当番に恐怖は

ふりかかった。

しかし、幸いな事にそれから程なく、リストラに

よる統合のため事務所移転となった。

従業員は、皆もろ手を上げてリストラを歓迎した。

その後事務所は借手を二転三転したが、長期の

入居者も無く、現在は次の借手が来るのを

待っている…。


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